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新型コロナウイルスの影響による権利回復の手続きについて

作者:王佳棟 | 更新しました:2020-02-21 | ビュー:

2020年1月28日、国家知識産権局は第350公告を公布し、専利、商標、集積回路配置図設計などの手続き期間及び権利回復の手続きを規定した。

 

1.当事者が新型コロナウイルスの感染状況に関連する理由により、専利法およびその実施細則に規定された期限、または国家知識産権局に指定された期限を遅らせ、権利喪失になった場合、専利法実施細則第6条第1項の規定が適用される。当事者は、障害が解消された日から2ヶ月以内に、遅くとも期限満了日から2年以内に権利回復を請求できる。権利回復を請求する場合、権利回復請求料を納付する必要はないが、権利回復請求書を提出し、理由を説明し、対応する証明資料を添付すると共に、権利喪失前にすべきの手続きをしなければならない。

 

2.当事者が新型コロナウイルスの感染状況に関連する理由により、商標法およびその実施条例に規定された期限、または国家知識産権局に指定された期限を遅らせ、商標業務に関する手続きを正常に対応できなかった場合、その手続きの期限が権利行使の障害の発生日より中止し、権利行使の障害が解消された日から引き続き計算される。ただし、法律に別段の定めがある場合はこの限りではない。権利行使の障害によって商標権利が喪失になった場合、権利行使の障害が解消された日から2ヶ月以内に書面による申請を提出し、 理由を説明し、対応する証明資料を提出し、権利回復を請求できる。 

 

3.当事者が新型コロナウイルスの感染状況に関連する理由により、集積回路配置図設計保護条例及びその実施細則に規定された期限、または国家知識産権局に指定された期限を遅らせ、権利喪失になった場合、集積回路配置図設計保護条例実施細則第9条第1項の規定が適用される。当事者は、障害が解消された日から2ヶ月以内に、遅くとも期限満了日から2年以内に権利回復を請求できる。権利回復を請求する場合、権利回復請求料を納付する必要はないが、権利回復請求書を提出し、理由を説明し、対応する証明資料を添付すると共に、権利喪失前にすべきの手続きをしなければならない。

 

4.専利、商標、集積回路配置図設計などの各手続きの期限について、満了日が2020年春節休みにある場合、期限満了日は国務院弁公庁の春節休みに対する設定により、休み明けの最初の勤務日まで延長される。

 

上記理由で権利回復を請求する場合の注意点について、Q&Aの形で説明する。

 

Q:権利回復請求の理由について、何を書けばいいか。

A:まず、権利回復請求書の「不可抗拒事由」を選択し、さらに、例えば、「当事者が隔離された」、「当事者が感染された」、「当事者の所在地で交通規制の措置が取られた」、「当事者の居場所が閉鎖された」などを記入すればよい。

 

Q:証明資料について、何を提出すればいいか。

A:当事者の所在地の政府より発行された証明書、公告など、また、当事者が隔離されたこと、感染されたことを証明できる資料などを提出すればよい。

 

Q:同じ理由で複数の出願について権利回復請求をする場合、権利回復請求書と証明資料を出願毎に提出する必要があるか。

A:権利回復請求書を出願毎に提出する必要があるが、証明資料を1部だけ提出すればよく、権利回復請求書にその旨を説明すればよい。

 

Q:具体的には何の権利の回復が請求できるか。

A:専利法第24条(新規性喪失の例外)、第29条(優先権期限)、第42条(専利の存続期間)、第68条(侵害訴訟の時効)に規定された期限以外、当事者は関連する期限を遅らせることによって権利が喪失になった場合、権利回復を請求することができる。

 

詳細は、国家知識産権局のウェブサイトをご参照ください。

 


参考サイト:http://www.sipo.gov.cn/zfgg/1145684.htm

   http://www.sipo.gov.cn/zcfg/zcjd/1145775.htm