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天津知的財産法廷が国内初の特許紛争案件に関わる税関仮処分命令を発令

作者:丁萌 | 更新しました:2020-02-21 | ビュー:

先日、天津知的財産法廷は、特許権紛争案件の審理中に仮処分命令を発令し、該仮処分の被請求人による被疑侵害品の海外への輸出を差止めた。該仮処分命令は、国内初の特許紛争案件に関わる税関仮処分であり、知的財産権の税関保護、特に侵害製品の輸出に対するタイムリーな差止めに参考の価値がある。


 本件原告のベビーゼン(Babyzen)株式会社(フランスの有名なベビーカー会社)は、中国河北省のあるベビーカー・玩具会社が、特許侵害の可能性が高いベビーカー製品を天津税関を通じて輸出するという情報を得て、直ちに担保を提供して上記ベビーカー製品の差押えを天津税関に請求した。天津税関はこの請求に応じて、被疑侵害ベビーカー製品を約2,000台見つけて差押えた。その同時に、原告は天津知的財産法廷に行為保全請求も提出した。現場調査、サンプル抽出、ヒヤリング、特許との対比などの手続きを経て、天津知的財産法廷は仮処分命令を発令した。


該仮処分命令の発令は、特許に関わる税関保護案件において行為保全によって被請求人の侵害被疑製品の輸出を差止めた国内初の事例である。該事例で、権利侵害と判決されたとしても侵害製品が輸出されてしまって処分できないことが防止できただけでなく、侵害行為の継続および損害範囲の拡大を止めることもできた。 

 

参考サイト:https://new.qq.com/omn/20200119/20200119A0MCXJ00.html