２０２１年１月３１日、中国共産党中央委員会弁公庁、国務院弁公庁は「高基準の市場システム構築に関する行動計画」を発表した（以下は「計画」という）。『計画』は市場システムの基礎的な制度の確立、リソースの市場化、市場環境と品質の向上、高レベルでの市場開放の実施、市場監督管理メカニズムの整備、という5つの方面から、５１条の具体的な措置を提出する。 その中で、知的財産権に関する内容は以下のようにまとめる。 

第３条 知的財産保護の強化。『商業秘密侵害民事事件の審理における法律適用の若干問題に関する規定』の実施を推進し、『医薬品上市の審理と承認の専利民事事件における法律適用に関する若干問題に関する規定』を公布する。『知的財産権侵害に対する懲罰的損害賠償について法律の適用における問題に関する解釈』を制定・公布し、悪意侵害、長時間にわたって持続的な侵害、商標侵害などの行為に対して、懲罰的賠償制度を厳格に実行する。知的財産権侵害の迅速な対応メカニズムの確立を模索する。『商標代理管理弁法』、『地理的表示製品保護規定』、『政府標章保護弁法』などの部門規定の制定・改正を行う。 薬品専利保護、クロスボーダー電子商分野の知的財産権保護規則を研究・制定し、企業知的財産権保護ガイドライン及び知的財産権保護国別ガイドラインを作成する。専利、商標などの出願及び審査プロセスを最適化し、審査効率を高め、審査周期を短縮する。 専利、商標などの無形資産評価管理システムを構築する。

第９条 独占禁止・不正競争防止の法執行の強化・改善。独占・不正競争行為に断固反対する。原薬など特定分野の独占禁止ガイドライン、免除制度適用ガイドラインを定め、企業向けに海外での独占禁止法令遵守ガイダンスを打ち出す。プラットフォーム企業の独占認定、データ収集・使用管理、消費者の権利・利益保護などの面で法規の整備を進める。プラットフォームエコノミー、シェアリングエコノミーなど新興業態分野の独占禁止・不正競争防止制度を強化する。

第２０条 科学技術成果の転化メカニズムの革新・促進。科学技術成果の評価メカニズムを整備し、科学技術成果の転化を促進する意見を制定し、技術要素市場化の配置能力を高める。技術契約認定規則及び科学技術成果登記弁法を改訂・公布し、技術契約及び科学技術成果の規範管理を強化する。国家技術移転システムを整備し、国家技術移転機関を発展させ、国家技術移転人材育成システムを構築し、技術移転人員の技術評価及び選別、知的財産権運営、商業化コンサルティング、などの専門サービス能力を向上させる。

第２１条 職務科学技術成果財産権制度の健全。科学研究者に職務科学技術成果の所有権または長期使用権を与える試行を深く展開し、職務科学技術成果財産権の激励の新しいモデルを探索する。試行経験を適時にまとめ、職務科学技術成果転化激励政策と科学研究者の職務発明成果権益共有メカニズムを整備する。

第２３条 知的財産権及び科学技術成果財産権の取引機関の設立。中国技術取引所、上海技術取引所、深セン証券取引所などの機関が国家知的財産権と科学技術成果財産権の取引機関を設立することを支持し、全国的に知的財産権の譲渡、ライセンスなどの運営サービスを展開し、技術取引サービスの発展を加速に推進する。

 

第３６条 外商参入前国民待遇とマイナスリスト管理制度の完備。外商投資参入マイナスリストを更に削減し、外商投資項目目次の範囲を拡大する。外資参入を支持し、イノベーション力を強化し、国内外の企業を同一視し、公平に競争する公正な市場環境を構築するよう取り組む。

参考サイト：http://politics.people.com.cn/n1/2021/0201/c1001-32018132.html