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「重大な専利権侵害紛争の行政裁決弁法」が公布

作者:楊 珊 | 更新しました:2021-06-29 | ビュー:

2021年5月26日に、国家知識産権局は「重大な専利権侵害紛争の行政裁決弁法」(以下「行政裁決弁法」という)に関する公告を公布し、2021年6月1日より施行した。

該行政裁決弁法は、「中国専利法」及び関連の法律、規定、規章に基づいて制定され、全部27条であり、国家知識産権局が専利法第 70 条第1項にいう全国で重大な影響のある専利権侵害紛争を処理する際に適用される。

行政裁決弁法の第3条の規定によると、重大な公共利益に関わる場合、業界の発展に重大な影響を与える場合、省レベルの行政区域を跨ぐ重大な事件である場合は重大な専利権侵害紛争に該当する。

第4条の規定によると、重大な専利権侵害紛争に対して行政裁決を請求する場合は、「請求人が専利権者又は利害関係者であること、明確な被請求人がいること、明確な請求事項及び具体的な事実、理由があること、人民法院が当該専利権侵害紛争について立件していないこと」という条件を満たさなければならない。

第12条の規定によると、当事者は自らの主張に対して証拠を提供する責任がある。当事者が客観的な理由により収集できない証拠について、初歩的な証拠及び理由を提出し、国家知識産権局による調査又は検査を書面にて申立てることができる。事件の事実究明の必要に応じて、国家知識産権局は法に依り調査又は検査をすることもできる。

第14条、第15条の規定によると、専利権侵害紛争が複雑な技術的問題に関わり、検証鑑定を行う必要がある場合、国家知識産権局は、当事者の請求により、関連の単位に検証鑑定を委託することができる。また、国家知識産権局は、技術調査官を指定して事件の処理に関与させることができる。関連の技術調査意見は、合議体が技術事実を認定するための参考とすることができる。

第22条の規定によると、重大な専利権侵害紛争の行政裁決の審理期間は、原則として立件日より3ヶ月以内に結審しなければならない。事件が複雑で又はその他の理由により、承認を経て1ヵ月延長することができる。

該行政裁決弁法は、市場の公正な競争を確実に維持し、権利者及び社会公衆の法的利益を保障するよう、法律や規定に基づいて全国で重大な影響を有する専利権紛争行政裁決案件を処理することを目指している。

 

参考サイト:https://www.cnipa.gov.cn/art/2021/5/28/art_74_159727.html