
このたび、北京市高級人民法院は特許権侵害訴訟の終審判決((2017) 京民終 703 号)を言い渡し、北京市第一中級人民法院の一審判決を維持し、特許権侵害の成立を認定しました。
本件特許権は米国グローバル・イマジネーション株式会社が保有し、球形スクリーン上に画像・映像・視覚情報を効率的かつ正確に表示するデジタルディスプレイグローブのコア技術を保護するものです。当該特許を実施した製品は球形スクリーンに画像を出力するデジタルディスプレイであり、教育機関・文化施設を中心に幅広いユーザーに利用されています。
米国グローバル・イマジネーション株式会社が中国市場で事業を展開するなか、同社製品の模倣品を製造する国内競業他社の存在が明らかとなりました。これを受け同社は特許権侵害訴訟を提起し、侵害行為に対する差止命令と侵害による損害賠償を勝ち取りました。
侵害訴訟の審理において、被告は請求項に機能的限定が含まれることを理由に、明細書の実施形態に基づいて特許の保護範囲を画定すべきであると主張しました。これに対し特許権者は、無効審判、ならびにそれに続く審決取消訴訟の一審・二審において詳細な主張を展開し、最終的に北京市高級人民法院に受け入れられました。同法院は本件事案を踏まえ、本件特許の実施形態はあくまで請求項の解釈資料に過ぎず技術的特徴を追加するものではないとの見解を採用し、被疑侵害品が特許の保護範囲に属することを認定しました。
本件特許は侵害訴訟の過程で 2 回の特許無効審判を経ており、専利復審委員会により特許権維持が認定されたことから、特許自体の安定性は十分に確保されています。また代理人の活動により、無効審決、審決取消訴訟一審・二審の各判決に、特許権侵害認定に有利な判断が盛り込まれ、侵害訴訟における保護範囲の画定に強固な根拠を与えました。
本件判例からは、機能的限定特徴の認定および請求項の保護範囲解釈に関する裁判所の考え方を読み取ることができます。また特許出願時における明細書実施形態の記載方法、権利維持段階での保護範囲解釈、無効手続と侵害訴訟手続の連携といった論点について、有益な参考事例となっています。
柳沈法律事務所の邱軍弁護士、姚冠揚弁護士、陳暁帆弁護士は、当該特許権侵害訴訟の一審・二審において特許権者である米国グローバル・イマジネーション株式会社の代理人を務め、終審における勝訴を実現しました。