近日、柳沈商標チームが代理した商標取消しに対する再審査審決取消訴訟事件が、品保委(QBPC)の2023-2024年度十佳案例(ベスト10事例)に選出され、行政類事件において第1位を獲得しました。
本件は、不使用を理由とする商標取消し(不使用取消し)事件です。柳沈法律事務所はエマソン電気公司(Emerson Electric Co.)を代理し、某会社が同社の「艾默生EMERSON」商標を冒認登録したことに対し、不使用を理由とする取消しを申請しました。審判段階において、国家知識産権局は商標登録者が提出した『販売契約書』や請求書などの書類に基づき、当該商標が係争期間内に有効に使用されていたと認定し、当該商標登録を維持する決定を下しました。一審段階では、登録者の重要な証拠である『販売契約書』に対する合理的な疑念に基づき、また契約の相手方が厳格な管理規則を有する企業であることを踏まえ、代理人は合議体に対して『弁護士調査令』を申請しました。契約の相手方から関連契約を照会したところ、相手方が保管する同一の契約書には本件に係る商標が表示されていないことが判明しました。一審裁判所は、契約の相手方は事件の利害関係者ではないこと、また、相手方が提出した重要な証拠である『販売契約書』が商標登録者が提出した同一の契約書と異なる点を考慮し、登録者が提出した当該契約書を採用せず、これにより事件の重要証拠を排除した上で、被訴行政決定を取り消す一審判決を下しました。
二審裁判所も同様の理由に基づき、一審判決を維持しました。本件は期待された目的を達成し、当事者からの賞賛も得ています。
不使用を理由とする商標取消し事件における深刻な問題の一つは、虚偽の証拠が多数存在し、かつその確認が困難であることです。2021年に北京知的財産権法院は、「商標権取消しを求める再審査行政事件における偽証処罰に関する典型案例」を公表し、立証された証拠偽造行為については、違法証拠を排除しました。しかし、これらの事件で問題となった書類、例えば請求書、(医薬品や化粧品に関する)検査報告書や広告登録証は、いずれも公開されたルートで確認可能なものであり、そのため証拠偽造側に採用されることも稀でした。これに対し、商事業者間で締結される商事契約書は、公開ルートで確認することが困難であり、虚偽の証拠の「多発地帯」となっています。
本件において、柳沈法律事務所の赫長虹弁護士、李佳雯弁護士は、証拠に対する合理的な疑念と、業務に対して最大限の努力を尽くすという執念に基づき、新たなアプローチとして、裁判所に『弁護士調査令』を申請しました。社会の誠実意識と企業のコンプライアンス意識がさらに高まっている中、本件は不使用を理由とする商標取消し事件において、非常に参考になる意義を有しています。また、本件は、クライアントの利益のために、柳沈の弁護士が「努力してさらにもう一歩を歩む」という姿勢を示すものでもあります。