このたび当事務所は、煙突関連企業を被告として代理した発明特許侵害紛争において勝訴を得ました。一審裁判所は原告の請求をすべて棄却する判決を言い渡しています。
本件は技術的・事実的に複雑であると同時に業界的にも参考となる事案です。クライアントは過去に同種製品をめぐる特許侵害紛争に関与しており、先行訴訟では不利な判決を受けていました。これを受けクライアントは技術的な回避設計を複数回実施し、改良後の新製品を市場に投入していました。しかし原告は改めて提訴し、当該新製品が依然として問題の特許の技術的範囲に含まれると主張しました。
受任後、当事務所チームは事案全体を多面的に分析し、前回事件との技術上の相違点を速やかに抽出しました。加えて、本件製品が大型産業設備で常時稼働し、高温環境や一部構造が密閉されているといった制約から、現地での証拠確保が物理的に困難であるという業界特有の立証上の課題にも着目しました。
先行判決による応訴上のプレッシャー、さらに製品の性質に由来する立証の難しさを踏まえ、被告側として積極的な立証戦略を構築しました。クライアントに対し過去の関連資料を体系的に整理するよう指導し、技術検討の記録、製品の製造・納入・設置段階における業務連絡記録などを活用し、設計から製造、納入、設置までの一連のプロセスをカバーする証拠の連鎖を構築し、審理の基礎を固めました。
実体的な抗弁については、単なる部品構造の表面的な比較に留まらず、当該特許の発明の本質的な着想を軸に深い分析を行い、被訴製品が特許発明と本質的に異なる点を論理的に立証しました。
その結果、裁判所は当事務所の主張の大部分を採用し、被訴製品が特許の技術的範囲に属さないと判断しました。特に稀な対応として、原告が挙げたすべての技術的特徴について一つひとつ詳細な検討が行われ、文言上の同一も均等論による侵害もいずれも成立しないと認定されました。
今回の勝訴により、先行判決を背景に再び提起された侵害主張、さらに懲罰的損害賠償のリスクが払拭されました。また下流顧客の製品調達に関する不安を和らげ、クライアントの今後の市場展開にとって安定した事業環境を確保する成果につながっています。
本事案担当弁護士チーム:姚冠揚、王瀟、劉蔚然