日本語
中文 EN 日本語
ニュース成功事例速報
成功事例速報
当事務所代理の韓国有名企業に係る一連の特許権帰属紛争事件、2025 年広州知的財産法院典型事例に選出
2026-02-09

このたび、広州知的財産法院は「科学技術イノベーションを支え・保障する 2025 年度典型事例」を公表し、2025 年に同院で審理された技術系事件の全貌を整理・総括しました。一連の典型事例を通じ、知的財産保護のルールを明確にし、イノベーションの源泉を守り、技術革新、産業イノベーション、制度イノベーションに対する強固な司法サービスと保障を提供しています。
このたび当事務所が代理人を務めた「レーザープリンターモーター」シリーズ特許権帰属紛争事件が、同年度の典型事例に選出されました。本事例は、今回選出された典型事例の中で唯一の特許権帰属紛争事件となります。
本事案の訴訟担当者は程馳、劉志杰弁護士であり、チームメンバーには安之斐、顔嘉嘉、李雲希、曽雲鵬が参画しています。
以下、広州知的財産法院公式アカウントが公開した『広州知的財産法院 2025 年科学技術イノベーション支援・保障典型事例』の掲載内容に基づき、本事案を紹介いたします。
職務発明の権利帰属を適正に認定、知財価値の具現化を通じイノベーション活力を喚起
「レーザープリンターモーター」シリーズ特許権帰属事件

事案概要及び裁判経緯

原告企業は、元研究開発従業員 2 名が在籍中に新規企業 2 社を設立し、在職期間中に入手した中核技術情報、及び原告企業が提供した物的・技術的条件を活用し、在籍中及び退職後 1 年以内に、原告企業の未公開技術情報を利用して悪意的に 7 件の実用新案特許を出願したと主張し、当該 7 件の特許権が自社に帰属することの確認を求めて提訴しました。
これに対し被告企業は、係争特許が関連する技術分野は原告企業の業務と関連性がなく、原告企業自体が当該技術の研究開発を実施した実績がないため、係争特許は職務発明に該当しないと反論しました。
広州知的財産法院は審理を経て、係争 7 件の特許技術はいずれもレーザープリンターの核心構成部品、及びモーター生産組立工程に必須の生産設備に関するものであり、相互に密接に関連する一体的な技術群であると認定し、個別に分離して判断すべきではないと判断しました。
また、証拠から、当該技術は従業員 2 名の職務内容・担当技術分野と高度に関連し、両名が業務を通じて顧客ニーズ、技術上の課題及び解決方案といった非公開中核情報に接触し得たことが確認されました。以上の事実から、係争 7 件の特許は従業員が職務を執行し、または主として勤務先企業の物的条件を活用して完成させた職務発明に該当し、特許権は原告企業に帰属すると認定しました。
一審判決後、被告企業は控訴を行いましたが、広東省高級人民法院は控訴を棄却し、原判決を維持する終審判決を言い渡しました。

本事案の典型的意義

本事案は、職務発明の権利帰属を適法かつ適正に認定し、イノベーション主体の創造意欲と活力を効果的に引き出す模範的な事例です。
本判決は職務発明の「技術関連性」に関する審査基準を明確化し、在職従業員の職務発明認定については、退職従業員に比べて合理的に緩やかに判断すべき基準を確立しました。これにより、企業の知的財産権益を守ると同時に、研究者の技術革新・創作活動を誘導し、職務発明の技術価値を産業価値へと転換することを実現しています。
さらに、職務発明の総合的な判断枠組みを明確にし、従業員の本来の職務範囲、業務課題、担当技術分野、職務責任を核心的な審査要素とする判断ルールを定立しました。
本判決は、企業の正当な権益保護と従業員の転職の自由・自主的イノベーション権のバランスを実現し、技術革新成果の法的保護を求めるイノベーション主体に対し、明確な実務指針を提供する重要な先例となります。