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専利財産の源泉――技術発掘

作者:張銀英 | 更新しました:2016-08-23 | ビュー:

専利の中核として保護される新たな技術案又は設計案は、技術者の技術革新から出てくる。企業の知財部員は、技術専門家と連携して専利開発を行う必要がある。この専利開発には、知財部員は、技術者と協力して技術革新点を見つけることと、技術革新点について技術面と法律面から分析、分解、整理、選別することにより、専利出願のポイントと技術案を確定することが含まれる。

第一 技術者との打合せ

企業の研究開発において、知財部員は技術者と一緒に新たなアイディアをつかんでそれをアピールする取組を行っている。初回に専利に接触する、若しくは専利にあまり触れない新米専門家に対して、知財部員は技術発展における生々しい事例と専利保護の現状を用いて技術者の疑惑を解答する。経験が豊かなベテラン技術者に対しては、知財部員はその創造的なアイディアを呼び起こすと共に、高品質の専利技術資料を提供するように協力する。


技術者は革新技術の源泉である。知財部員と技術者とのスムーズな打合せにより、革新技術の質と量が確保され、根本的に専利制度がよい方向へ発展するように促進される。それによって、専利制度によって科学技術の進歩を促進することもできる。

第二 専利発掘は技術研究開発プロセスを貫く

技術者の新たなアイディアはピンと思いついたものであるので、知財部員は、そのアイディアがピンとくる時にすぐに記録することを技術者に助言する。この記録されたアイディアは、今後、技術者に問題を解決する新しい発想を提供する可能性がある。要するに、技術研究開発の全過程において専利技術の発掘を実施することは何よりも重要である。

知財部員の専利発掘は下記の図2に示すように行われる。図2S1S2に示された技術内容に関する交流とその内容の整理は知財部員の技術への充分な理解に基づくものである。また、図2S3S5に示された革新方案ファイルを作成することは知財部員の専利制度に対する精確な把握に基づくものである。研究開発の進行状況を把握し、創出案を抽出する(S4)過程において、技術者との協力に注力すべきである。

第三 専利発掘ファイル

製品又は研究開発のプロジェクトには、数多くの技術者の心血を集めて、いろいろな技術案も含まれる。企業の知的財産の権益を最大限に保護するよう、知財部員は数多くの創出案を管理しなければならない。専利開発において、以下の3種類のファイルを作成することを提案する。すなわち、専利発掘の進行状況ファイル、創出案の作成過程ファイル、創出案の評定結果ファイルである。                 

3に示すように、専利発掘の進行状況ファイルは各創出案の進行状況を簡単に記入する。例えば、創出案は発明者の技術説明段階、専利評定段階、専利出願書類の作成段階にあるなどの内容を記入する。

創出案作成過程ファイルは、専利発掘過程中の全ての技術内容と知財関連の審議内容を記入する。それに、技術と知財保護との分野における原始資料も記載されている。創出案作成過程ファイルを借りて革新重点、製品への影響などを判断できるようになる。相応的に、技術者を参与しない場合にも専利出願審査と専利権保護などの活動が行われる。                


創出案の評定結果ファイルは、概要情報、評定方案要点記録、革新技術案のような3部分が含まれる。

系統的なファイルを作成することは企業の知的財産を有効に管理することに役立つだけではなく、後続の専利出願に対しても有力にサポートすることになる。

第四 2つの留意点

第一点:知的財産権を保護することは系統的なことである。技術者と知財部員との連携だけではなく、企業制度と企業文化からのサポートも不可欠なものである。優れた企業制度と企業文化は技術者の創出熱情と積極性を末長く促進しつつある。

第二点:専利出願の類型を判断する。特許:安定性がよく保護周期が長い。実用新案:権利付与の速度が速く保護周期が短い。意匠:消費者へ第一印象を与えるので重要である。

終わり

専利発掘は専利制度の基礎と源泉であり、知財部員の努力、及び技術者との連携は専利制度がよい方向へ発展させるように促進することができる。企業は自分のニーズに応じて技術開発を進め専利発掘能力を強化すべきである。