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Versalis社の特許に係る無効審判事件で、Total Research & Technology Feluy社の無効宣告請求が認められた

作者: | 更新しました:2017-05-26 | ビュー:

2017年5月17日、専利復審委員会は、Total Research & Technology Feluy社がVersalis社所有の第200980116333.8号発明特許に対して提出した無効宣告請求について、無効宣告請求審査決定書を発行し、該特許が全部無効となることを宣告した。

 

2016年10月20日、Total Research & Technology Feluy社は、Versalis社所有の第200980116333.8号発明特許「改善された断熱性能を備えた発泡性ビニル芳香族ポリマー組成物、その調製方法及びその組成物から得られる発泡物品」に対して無効宣告請求を提出した。2017年3月28日、専利復審委員会は上記無効宣告請求について口頭審理を行った。

 

本事件の争点は、対象特許の進歩性の有無にある。該特許の進歩性欠如を証明するため、請求人はまず大量の証拠を提出し、請求項の概括範囲が広すぎて明細書にサポートされておらず、その技術効果が全ての特許請求の範囲で実現できるものではないことを証明した。そして、請求人は該特許が単に代替案を提供するものにすぎず、従来技術に示唆がされたので、進歩性を有しないことを主張した。

 

審理を経て、専利復審委員会は請求人の主張を認めた。全ての請求項が明細書にサポートされておらず、進歩性を具備しないとともに、一部の請求項の補正が出願当初の明細書と特許請求の範囲の記載範囲を超えたことを理由として、該特許が全部無効となることを宣告した。

 

本事件で、当事務所の弁護士宋莉、張暁飛、金擬粲、凌志軍は、無効宣告請求人(Total Research & Technology Feluy社)を代理していた。