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「営業秘密侵害民事案件訴訟立証参考」が公布

作者:楊 姍 | 更新しました:2022-01-04 | ビュー:

2021年10月29日に、北京知識産権法院は「営業秘密侵害民事案件訴訟立証参考」(以下、「立証参考」という)を公布した。

「立証参考」は下記4つの部分を含む。

第1部分の「権利基礎に関する立証参考」では、訴訟を提起できる主体、営業秘密の法定条件、法定条件に関する抗弁事由などを詳細に規定し、営業秘密の法定条件(秘密性、守秘性、価値性)を重点的にめぐって立証の指導を提供する。

第2部分の「権利侵害行為に関する立証参考」では、侵害行為の表現形式及び侵害行為に関する抗弁事由などに関わっている。実務において従業員、元従業員が営業秘密侵害行為に関与することが多い実状に対して、従業員、元従業員の範囲を明らかにし、原告が従業員、元従業員の権利侵害行為について有効に立証するよう指導する。

第3部分の「民事責任の負担請求に関する立証参考」では、権利侵害の停止及び損害賠償などの内容に関し、損害賠償に重点を置き、権利者が原告の損失、被告の取得した利益、ライセンス料の合理的な倍数、法定賠償などをめぐって立証するよう指導する。懲罰的賠償については、悪意のある権利侵害行為や、権利侵害行為の情状が深刻であることについて、立証の指導を提供する。

第4部分の「手続事項に関する立証参考」では、保全、調査令、訴訟中の秘密保持措置、刑事民事交差などの内容に関する。そのうち、当事者が証拠の調査・取得の申立てを便利にするために、調査令の申請、使用などについて全面的に規定されている。また、「二次秘密漏洩」を防止するため、「立証参考」では、当事者が証拠保全、証拠交換、証拠取り調べ、開廷審理などの訴訟活動において裁判所に必要な秘密保持措置を申請するよう指導する。

「立証参考」は、営業秘密侵害案件において権利者の証拠保存意識が弱く、立証能力が限られているなどの問題を解決するため出されたものであり、当事者が営業秘密侵害紛争において積極的かつ効果的に立証するよう指導し、営業秘密侵害民事案件の立証困難という問題の解決に役立つことができる。


参考リンク:https://bjzcfy.chinacourt.gov.cn/article/detail/2021/11/id/6351057.shtml

                        http://china.cnr.cn/gdgg/20211030/t20211030_525646696.shtml