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国家知識産権局により「実用新案の保護対象判断に関する指針」が公布

作者:侯 佳奕 | 更新しました:2023-12-29 | ビュー:

11月に、国家知識産権局は、革新主体が実用新案の保護対象の境界を正確に把握し、実用新案制度の高品質な発展を推進することを目的で、「実用新案の保護対象判断に関する指針」を公布した。

実用新案の保護対象に必要な三要素、すなわち製品、形状および/または構造、技術案について、それぞれの関連規定を下記のように整理する。


1.製品

実用新案は製品のみを保護する。

(1)請求項の主題名においては、方法を明確に排除すべきである。

(2)請求項には、既知の方法の名称を用いて製品の形状、構造を限定することができるが、方法の手順、プロセス条件などを含んではならない。

(3)既知のコンピュータプログラム名のみを含む場合、実用新案の保護対象となる。請求項には、ハードウェア部分の改善とコンピュータプログラム自体の改善の両方が含まれれば、実用新案の保護対象ではない。形式的には製品クレームとして書かれているが、実質的にはコンピュータプログラムモジュールに属する請求項については、コンピュータプログラムの流れに基づくプログラムモジュールしか含まれていないため、実用新案の保護対象ではない。

(4)人間の生産・生活の需要に応じて、建築物、敷地空間などに対して行われた、主に人為的なルールや使用方法などの改善によって実現されたレイアウト計画は、実用新案の保護対象ではない。


2.形状および/または構造

(1)生物的または自然に形成された形状や、並べる、積み上げるなどの方法で得られた不確定な形状を製品の形状特徴とすることはできない。実用新案の保護対象として、製品のある技術的特徴が確定していない形状の物質であってもよく、製品の形状は特定な状況で確定した空間形状であってもよい。

(2)印刷または描画の方式により製品の表面に形成された模様、文字、記号などの内容を含む情報層は、製品の構造に属しない。

(3)既知の材料名のみを含むものは、実用新案の保護対象であるが、材料自体を改良した内容を含むものは、実用新案の保護対象ではない。

(4)食品類の出願に、材料自体の改良が含まれている場合、実用新案の保護対象ではない。


3.技術案

製品の表面の模様、色彩またはこれらの組み合わせになった新しいもの、または製品の形状を改善したものは、技術的手段を用いて技術的課題を解決しなければ、実用新案の保護対象ではない。


以上のことから、発明・創造の専利保護については、適切な出願類型を選択すべきである。実用新案出願について、独立請求項が実用新案の保護対象に属するが、従属請求項が属しない場合、当該出願は実用新案権を付与できないことに注意すべきである。また、保護対象に関する審査意見に対して、明細書のみを補正したり、請求項を簡単に合併したり、文字表現を変換したりするなど、請求項を実質的に補正しないと、通常、請求項が実用新案の保護対象に属しないという不備を解消することができない。


参考サイト:https://www.cnipa.gov.cn/art/2023/11/3/art_66_188404.html