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中国、WIPOの「ハーグ協定」と「マラケシュ条約」に加盟

作者:楊 姍 | 更新しました:2022-03-21 | ビュー:

2022年2月5日に、中国は世界知的所有権機関(WIPO)の「ハーグ協定」と「マラケシュ条約」に正式加盟した。上記2つの条約はいずれも2022年5月5日より中国で発効することになる。

ハーグ協定は、複数の司法管轄区域で意匠の国際的保護を受けるためのファストトラックである。この協定により、出願人は受理局に単一の国際出願を提出した後、いくつかの締約国で工業品意匠の保護を受けることが可能となる。中国の住民は2020年に合計795,504件の意匠出願を提出し、世界全体の約55%を占めている。中国の「ハーグ協定」への加盟により、これらの設計者は海外で自分の作品を保護・推進することがより便利で安価になる。同時に、外国の設計者が中国市場に進出することは容易になり、彼らの意匠をもって、世界で最大かつ最も活気のある市場の一つとする中国で活躍することも容易になる。

WIPOの「マラケシュ条約」は世界初かつこれまで唯一の著作権領域の人権条約である。この条約は国際立法の面で読書障害者が作品を入手する際の著作権障害を解消し、盲人又は視覚障害者向けに改編された著作物の作成や国際移転を容易にすることを目的としている。中国が「マラケシュ条約」に加盟することは、中国の1700万人以上の盲人、視覚障害者が著作権作品を入手する機会が増えることを意味している。これにより、バリアフリー中国語作品の国境を越えた流通を促進し、世界の他の地域の盲人、視覚障害者がこれらの作品を入手できるようにする。


参考リンク:

https://www.wipo.int/pressroom/zh/articles/2022/article_0001.html

https://www.cnipa.gov.cn/art/2022/2/9/art_53_173132.html