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「明らかな進歩性欠如」を実用新案の初歩審査の審査範囲に含める予定

作者:侯佳奕 | 更新しました:2022-09-22 | ビュー:

2022年7月20日に、国家知識産権局は、第13回全国人民代表大会第5回会議の提案に対する第8842号返信書簡を発行した。その中で、権利化案件の品質を向上させるために、実用新案出願について、「明らかな進歩性」に関する審査を促進しようとすることが言及されている。

返信書簡の中で、国家知識産権局は次のように述べていた。

現在、わが国の実用新案は「初歩審査+評価報告」の審査制度を採用している。初歩審査では、審査官は、入手した先行技術または抵触出願についての情報に基づいて、実用新案出願が明らかに新規性を具備するか否かを審査することができる。実用新案の権利化案件の品質をさらに向上させるために、国家知識産権局は実用新案制度の改革を積極的に推進しており、『専利法実施細則』の改正草案では、実用新案の初歩審査の範囲に「明らかな進歩性の欠如」を含める予定である。また、それに対応して『専利審査指南』も改訂し、関連する審査基準をさらに細分化し、改善する。

実用新案出願について、従来、中国は初歩審査のみを行い、実体審査を行わない審査方法を採用してきた。近年、実用新案出願の件数が年々増加する中、審査の強化及び専利品質の向上がますます注目されている。2013年、国家知識産権局は『専利審査指南』を改訂し、初歩審査において、審査官は実用新案出願が明らかに新規性を具備するか否かを審査する必要があると規定した。審査官は、入手した先行技術または抵触出願についての情報に基づいて、実用新案出願が明らかに新規性を具備するか否かを審査することができる。

今回、実用新案の初歩審査の審査範囲に「明らかな進歩性の欠如」を含めるという計画は、国家知識産権局が専利の品質をさらに向上させるための試みであり、実用新案制度の大きな改革でもある。関連する動向を引き続き注視していく。


参考サイト:https://www.cnipa.gov.cn/art/2022/7/22/art_516_176743.html