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『改正独占禁止法』は8月1日より正式に施行

作者:丁 萌 | 更新しました:2022-09-22 | ビュー:

新に改正された『独占禁止法』(以下は『改正独禁法』という)は8月1日から施行された。今回の改正は、2008年8月の施行以来初めてのことだ。 

今回の改正では、『独占禁止法』の施行以来に反映されてきた際立った問題を解すように法律内容を相応に調整し、デジタル経済が高速発展されている市場競争で顕在化した新たな問題に対して、独占禁止規則を更に明確にした。その中で、プラットフォーム経済分野における独占行為への対応、安全港(セーフハーバー)規則の導入、事業者集中申告審査制度の最適化、処罰基準の大幅向上などが『改正独禁法』のポイントである。

プラットフォーム経済分野の独占行為に対して、『改正独禁法』は第9条を増設し、「事業者はデータとアルゴリズム、技術、資本の優位性及びプラットフォーム規則などを利用して本法で禁止されている独占行為を行ってはならない」と規定されている。また、市場支配的地位の濫用に関する章節において、第22条第2項の「市場支配的地位を有する事業者は、データ、アルゴリズム、技術並びにプラットフォーム規則等を利用して前項に規定される市場支配的地位の濫用行為を行ってはならない」が増設された。

また、独占協定の「安全港」規則が導入された。経営者と取引相手とが締結した垂直的独占協定について、第18条第3項で、「事業者が関連市場における市場シェアが国務院独占禁止法執行機関の規定する基準を下回っており、国務院独占禁止法執行機関の規定するその他の条件を満たしていることを証明できる場合、禁止しない」と規定されている。

事業者集中申告審査制度に対して、今回の改正は、法執行機関が「申告基準に達していない」事業者の集中を調査する手順を法律の面で初めて明らかにした。第26条第2項に、「事業者集中が国務院の規定する申告基準に達していないが、当該事業者の集中が競争を排除、制限する効果がある又はあり得ることを証明できる証拠がある場合、国務院独占禁止法執行機関は事業者に申告を求めることができる」と規定されている。

また、処罰力が弱く、違法コストが低いなど従来の問題を解決するために、今回の改正は法律責任について、独占責任の主体を個人に拡張し、罰金額は大幅に増加した。本法に違反した事業者に対して、第56条に「前年度売上高の1%以上10%以下の罰金に処する。前年度売上高がない場合は、500万元以下の罰金に処する。締結した独占協定が実施していない場合、300万元以下の罰金を科すことができる。事業者の法定代表者、主要な責任者、直接責任者が独占協定の締結に個人的な責任を負う場合は、100万元以下の罰金を科すことができる」と規定されている。さらに、懲罰的賠償制度、信用記録制度も導入し、刑事責任の負担も明らかにした。

今回の改正は、公平な競争秩序を維持し、統一的、開放と競争の秩序ある市場システムの構築に重要な推進力となることが期待できる。


参考サイト:

http://www.npc.gov.cn/npc/c30834/202206/e42c256faf7049449cdfaabf374a3595.shtml

https://new.qq.com/rain/a/20220818A01H2W00