2022年11月17日、最高人民法院は記者会見を行い、人民法院が独占禁止と不正競争防止を強化する司法状況、及び典型的な事件を発表した。
発表会によると、2013年から2022年6月まで、全国の人民法院は独占一審民事事件916件を審査し、不正競争一審民事事件32075件を審査し、公平な競争の法治環境を整えるために強力な司法保障を提供した。 主な状況を以下のように紹介する。
・最高人民法院知的財産権法廷の機能を発揮し、独占民事および行政控訴事件の国家レベルでの集中的かつ統一的な審理を実現した。
・公正な競争・司法指導を強化し、法に基づいて模倣品混同、虚偽宣伝、営業の中傷などの不正な競争行為を規則した。奇虎(Qihoo)と百度(Baidu)の不正競争紛争事件、吉利(GEELY)と威馬の商業秘密侵害紛争事件などの訴訟額が高く、社会的影響が大きい不正競争事件を相次いで審理し、公平で健康な市場競争秩序を強力に維持した。さらに、懲罰的賠償を積極的に適用し、悪意のある侵害行為を厳しく取り締まる。
・競争分野の法律適用規則を継続的に細分化・整備し、公平な競争を保障する司法解釈を16件出し、権利侵害認定規則を細分化し、裁判基準の統一を継続的に図っている。
・デジタル経済に関する競争のルールを規範化し、資本の無秩序な拡大を規範、制限する。インターネットプラットフォームの独占行為に関する認定基準を研究・整備し、独占協定の規制や市場支配的地位の濫用などインターネット分野の独占行為を規制し、法に基づいて資本の健全な発展を規範化・誘導する。電子商取引プラットフォームの知的財産権をめぐる民事事件の指導意見を出し、インターネット分野のいくつ影響力のある不正競争事件を適切に審理し、法に基づいてインターネット分野の各主体の合法的権益を保護する。
・行政法執行と司法との連携メカニズムをさらに強化し、情報化、知能化するためのインフラ整備を強化し、国家市場監督管理総局、国家知識産権局などの部門との情報資源共有メカニズムの確立を推進し、大きな保護構造の構築を推進する。
また、独占禁止司法機能をさらに発揮し、人民法院は将来の業務重点と具体的な措置は以下の通りである。
プラットフォーム経済、核心技術、医薬通信などの重点分野と重要な環節に対する独占禁止司法力を強化し、独占協定行為を厳しく打撃し、市場支配地位の濫用行為を阻止する。最高人民法院は新たに改正された独占禁止法に基づき、適時に新たな独占禁止民事訴訟司法解釈を公布し、市場主体により明確で具体的な裁判規則を提供し、合法と不法、合理と不合理な行為の境界を明確にする。適時に各級の人民法院が審査した独占禁止の典型的な事件を発表し、典型的な事件の宣伝・誘導作用を十分に発揮させ、事件の釈明と影響の拡大を図る。社会全体の独占禁止・法治意識の向上を促し、社会全体が公平な競争を保護・促進する市場環境を形成するよう導く。
参照サイト
https://www.court.gov.cn/zixun-xiangqing-379771.html
https://www.court.gov.cn/zixun-xiangqing-379761.html