2019年12月31日、国家知識産権局は第343号公告により専利審査指南の改正を公布した。改正後の審査指南は、2020年2月1日より施行する。
今回の改正は、専利審査指南の第二部分(実体審査)の第9章(コンピュータ・プログラムに係わる特許出願の審査に関する若干規定)において、第6節(アルゴリズム要件またはビジネスビジネスルール・メソッド要件を含む特許出願の審査に関する規定)を追加し、AIやインターネット+、ビッグデータ、ブロックチェーンなどに係わる特許出願の審査基準を規定した。
正式に公布された改正内容は、2019年11月12日に公表した意見募集稿の内容と概ね同一である(内容の詳細は、弊所2019年12月newsletterをご参照ください)。
これで、専利審査指南は、2019年の1年以内に2回も大幅な改正が行われた。技術や経済の急速な発展により、専利審査においていろいろな新しい課題が現れ、特許制度のイノベーションのインセンティブとの機能を発揮するため、審査実務も適切に改善する必要性がみられる。
ちなみに、中国の専利審査指南は、専利法と専利法実施細則の改正に合わせて2010年に全面的に改正した後、今まで5回の改正が行われた。それらの主な改正内容は下記の表にまとめる。
国家知識産権局公告番号 |
主な改正内容 |
施行日 |
第55号令 (2010.1.21) |
中国専利法、専利法実施細則の改正に合わせた全面改正 |
2010.2.1 |
第67号令 (2013.9.13) |
実用新案出願や意匠出願について、明らかに新規性がないか、専利法第9条(ダブルパテント)に合致するかも審査内容であると規定。 |
2013.10.15 |
第68号令 (2014.3.12) |
GUI関連する意匠に関する審査基準を調整 |
2014.5.1 |
第74号令 (2017.2.28) |
コンピュータ関連特許の審査基準を調整 出願日後に提出した実験データの取扱い 無効段階における請求項の補正方式の調整 |
2017.4.1 |
第328号公告 (2019.9.23) |
分割出願手続きに関する規定 GUI関連意匠の審査基準の調整 進歩性審査基準の調整など (詳細は、弊所2019年10月newsletterをご参照ください) |
2019.11.1 |
第343号公告 (2019.12.31) |
アルゴリズム要件またはビジネスビジネスルール・メソッド要件を含む特許出願の審査に関する規定を追加 (詳細は、弊所2019年12月newsletterをご参照ください) |
2020.2.1 |